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阿呆の生態

五縞 メグム
10.07/B/西日本在住

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ゼロリナ熱が再熱してしまった人の邪推ブログ。純愛、悲恋、猟奇等、多々ありますので苦手な方は閲覧の際ご注意下さい。
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暑いですね
九州は一時風があって凄く涼しかったのですが
今日からちょっと暑くて、逆に体調を崩してしまいそう
パソコンをつけると尚更茹だっちゃいそうです
夏は終わって欲しくないけど、早く涼しくなればいいな

***

【ゼロリナ】 珍しく普通?


逝 く 夏



静かに、静かに、
ふたりの夏は終わりを告げようとしていた


「もう夏も終わりなんですね」

「そうね」


きっと、
これが最後なのだと、彼女も解っていたのだと思う
ふたり一緒に居られる唯一の夏なのだと

現にふたりの距離は普段の保たれた距離よりも
緊密、とまではいかないまでも
心持ち互いを感じられる距離だった


「なんだか今夏は、名残惜しい気がします」

「そうね、そうかも」


暑い、暑い夏だった
ふたりが密着したら汗だくになってしまうほどに

それほどに、暑い夏だった


「どんどん、涼しくなっていくんですね」

「そうね、きっとゼロスの体温みたいにだんだんと、冷たくなってゆくんだわ」


含みのある彼女の言葉に、ゆっくりと目蓋を伏せる
やるせないこの感情を押し隠そうと
僕がする必要のない呼吸をする、ふりをした

空気を吸って、吐いて、吸って、吐いて

気持ちを落ち着けようとする人間の動作を何度か繰り返すと
薄っすらと瞳を開き、彼女に優しく寄りかかった


「でも、リナさんが居ますからきっと暖くなりますよ」

「そうね、私が暖めればいいことよね」


擽ったそうに睫を震わせる彼女の頬に
僕の冷えた手を沿え、首筋へと下り、肩を優しく抱きしめ
キスをする

見えない行く先を見据えるよう互いに遠くを見つめる瞳を見合わせて
そっと、再びキスをした


「もしかして、誘ってます?」


微笑みながら、茶化すようにそう言うと
彼女はしれっとした態度で僕の胸元を強めに叩き体を離した


「涼しくなったら考えるわ」


窓を背に夏の光をいっぱいに浴びて、挑発的に笑う彼女
翳る日中の木々は、少しの寂しさを供って秋の訪れを知らせていた

きっと、これからゆっくりと涼しくなってゆくのだろう

茹だるような夏は もう人知れず、逝ってしまったから

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